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画像ファイル アウトバーンと車
ドイツ駐在員始末記
1いざドイツへ
2デュッセルドルフ
3駐在員の面々
4アパートを探せ
5女房と子供が来た
6ドイツ人の奥さん
7御入園
8ドイツ人秘書
9アパート事情
10虱騒動
11アウトバーンと車
12ドイツ語
13バカンス
14自転車騒動
15買い物
16食事と食材
17鍵が無い!
18娯楽と本

トラベルはトラブル
1不思議の国インド
2ローマ タクシー...
3モデナで道を...
4デリゲート入門
5...イギリス人
6片桐機長何を...
7ブルーカラー
8横メシ1
9横メシ2


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速度無制限の高速道路
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ドイツのアウトバーン(高速道路)は速度が無制限なことで有名である。
以前フランクフルトの近くで、空港までタクシーに乗ったことがある。
空港まではおそらく60Km位、デュッセルドルフまでのフライトの時間まで1時間20分位であった。
私はタクシーに乗り込むと「シュネル ビッテ」と言った、「急いで下さい。」という意味である。
タクシーの運転手は、私の方をチラッと見て「ヤア」と言った、「わかった」ということである。
そしてタクシーが高速道路に乗やいなや、運転手は座席に深く腰掛け直し、気合を入れたみるや、 何と200Km近い猛烈な速度で走り始めた、横に座っていた私は(ヨーロッパでは イギリスを除いて殆どの国では、乗客は助手席に座る)右手でシートベルトにしがみつき、 ものすごい勢いで流れる外の景色を眺め、20分間ほぼ失神状態で座っていた。
多分運転手は何も知らない日本人を少し驚かせてやろうと思ったのであろう。
ドイツのタクシーは殆どがベンツで、おんぼろとはいえないが、50万Km位は乗りこんでいる。
又硬い革張りにのベンチシートが多く、座るとなんとなくお尻の安定感が良くない。
アウトバーンは速度無制限と言っても全ての区間の速度が無制限というわけでは無い、 橋の上とかカーブでは制限速度があり、 又日本と同じ様にオービス(自動速度取り締まり機)が有った。
現在ではだんだんと速度無制限の区間が少なくなって、全体の15%位の範囲であると聞く。
アウトバーンでの運転で最も怖いのは追い越しである。
通常私はアウトバーンを走る時、140Km前後のスピードで走っていた。
これは速いほうでたいがいの日本人は100〜120Kmで運転しており、日本と大して変わらない。
ただしアウトバーンと言っても全ての人が速く走るわけではなく、年寄り等は80Km位で走っているのである。
140Km位で走っていると、結構頻繁に追い越しをかけなくてはいけなくなる。
追い越す車が80Km位の速度であると、追い越す時間も短く比較的安全であるが、 時々は120Km位の速度の車を追い越す必要にかられる。
この様な時は自分より速い車が後ろから来ないことを十分確認して追い越しをかけないといけない。
車の性能にも依るのだが、120Km位で走っている車を140Km位で追い抜いていると、突然 後ろから強烈にパッシングをかけられ、あわててバックミラーで後ろを見ると、猛烈なスピードで後ろから 車が迫って来る、あわててこちらもスピードを上げようとするが、追い抜かれている車も面白がって挨拶代わりに すこしスピードを上げる。
まだ半分も追い越していないのに、後ろの車は20m位に迫って更に激しくパッシングを上げ、 あせっている私から見ると、殆ど追突寸前に見える。
もうこちらはパニックだ、アクセルを床が踏み抜けるほど踏み込みどうにかこうにか 車を追い越して道を開ける、気が付くとハンドルを握る手にはびっしりと汗をかいている。

最初の車はおんぼろタウナス
赴任当時、我愛車はタウナスである、この車はベルギー駐在のTさんから引き継いだもので、まさにドンキホーテーの 「ロジナンテ」のようなものであった。
後に、この車に関しては、ありとあらゆる災難が私に降りかかってきた。
ある時外からドアを開けようとしたら運転手側のドアの取っ手がポキリと取れてしまった、 仕方なく私は助手席から乗ろうとしたのであるが、助手席側のキー溝にキーを差し込んでも、 キーが回らないのである。
要するに車に乗り込めないのだ、仕方なく私は車のロードサービスを呼んでドアを開けてもらう羽目になった。
今にも雪が降って来そうな寒空の下2時間も取れた車の取っ手を握り締めて、待っていたのである。
あとでTさんに聞いたところ、助手席側のドアを破損したので、中古のドアを付けたという、助手席側の キーはあまり使うことが無いので、そのまま違うキーで使用していたとのことであった。
家族でオランダに見物に出かけたことがあった。
オランダの風車と言うものを見てみたいと女房が言ったのだ。
オランダの埋立地を走って居るときのことである、急に車の暖房が効かなくなった、おかしいと思って ボンネットを開けてみると、ラジエターからお湯が水鉄砲のように噴出している、オランダの埋立地は 見渡す限りの原っぱで、ガソリンスタンドなぞどこにも無い、仕方なく車に積んであったバケツで運河から 水を汲み上げてラジエターに入れてその場をしのぎ、帰りはアウトバーンの休憩所で水を補給しながら 返って来た。
又ある時はアウトバーンを走っている最中に車の後ろの部分から、突然ものすごい音が聞こえた。
あわてて車を降りてみると、何とマフラーが車の下の真ん中辺で真っ二つに折れて、道路にこすって 居るではないか。
更にアウトバーンでワイパーが抜けてどこかに飛んでいってしまったり、トラブルは数え上げるときりが無い。
この車1年半乗ったのであるがさすが潮時となり、新しいフォルクスワーゲンのサンタナと言う車に代えた。
ところがこの車、新車でありながら、乗り始めて1ヶ月位経った時にノイスと言う町の道路の真ん中で エンストしてしまい、うんともすんとも言わなくなってしまった、後ろを見ると、路面電が迫ってくるではないか、 「ぶつかる!」と私はあせって、車から飛び出したのだが、後で聞くと路面電車は、バスと同じで 前に車が止まっていれば普通に停車出来るということであった、冷や汗物である。
結局周りの人に押してもらい、道の端でロードサービスを待つことになった。

駐車違反と罰金
車といえば、私はよくデュッセルドルフの街中に良く昼食を食べに行った、街中の道路は殆どが駐車禁止である。
駐車上は殆どがビルの中の立体駐車上であるが、駐車料金は、2時間位で5マルク(当時1マルクは100円位)であった。
しかしながら、駐車場まで行くのが面倒なことと、5マルクがもったいないこともあり、しばしば路上駐車を行った。
ところが時々駐車違反の摘発があり、摘発されると50マルク(5千円)の罰金を払わされることになる。
これがまた上手く出来ていて、つかまるのは大体10回に一回位で、駐車場に入れたのとほぼコストは同じであった。
また日本と違い運転免許証の点数が減ることは無いので、今日は駐車場にしようか罰金にしようかと迷ったものだ。
同じ様なものに電車の運賃があった、電車は切符を買って乗るのであるが、乗るときも降りる時も改札は無い、 その代わり何度かに一度抜き打ち的な検札がある。
これは駅に着くと直ぐに2人の検札官が前と後ろの入り口から乗客を挟むように乗り込んできて、 切符を持たない人や、乗り越してしまった人から、有無を言わせず反則金を徴収するのだ。
もちろん、切符を買うことをうっかり忘れてしまったなどと言う言い訳は通用するはずも無い。
これも捕まる確立と運賃を計算すると大体切符を買った時と同じ位の反則金となっている様であるが、 殆どの人は捕まった時の恥ずかしさを考えて切符を買うことになる。
しかし全てがこれと同じではない、時として非常に高額な罰金を払わされることがある。
特に酒酔い運転の場合は高額である、全ての罰金が同じシステムなのかは知らないが、 この罰金はその人の収入に比例して一ヶ月の給与の何倍という風に決められるという。
特に日本人の場合、日本で給与の一部を受け取っている場合や、会社から支給されている 車や住宅の手当てなど全てが所得とみなされ、時として100万を超える罰金が来るという。
さらにこの検挙の方法が少し面白い、町の酒場の前からずっと酒酔い運転の車を尾行してきて、 自分の家の駐車上に入れた時に検挙するのである。
こうすると検挙後に警察が車を始末しなくっても良く、手間が少ないというドイツ流の合理主義である。
ドイツでは3年間車を運転したが幸いな事に一度も事故を起こさなかった、ドイツの道路事情が 日本のそれと比較して比べ物にならない程整備されていた為かもしれない。
ただし危ないことは何度か有った、特にドイツから他の国へ行った時など交通ルールが違ったりして ヒヤッとすることがあった。
特に交差点がロータリーになっている場合、国によって入るほうが優先の国と、出るほうが優先の 国がありうっかりするととんでもない事故になる。
又ヨーロッパではイギリスだけが日本と同じ左側通行であり、大陸での運転に慣れてしまうと 交差点を曲がった瞬間にどちら側を走って良いか一瞬迷ってしまう羽目になる。

イギリスで高速道路を走り、そろそろ降り口かなと思ったらいきなり「Cardiff 1M」 等という看板が出て来てあせる、もちろんこれは「1メートル」ではなくて「1マイル」 なのだが。

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